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Sunday, July 09, 2006

ドイツの公文書保管担当者はデジタル情報のアナログ保存化プロジェクトに取り組む

本年6月末にドイツ公文書保管担当者がシュツッガルト大学の図書館に集まり、ドイツにあふれているデジタル情報の今後数世紀にわたる保存のための保存方法として「ARCHE project」を取りまとめた。そこでは現在最も一般的とされるCDやDVDの寿命は約5年とされ、500年を保証する媒体としてカラー・マイクロフィルムが取り上げられ、本プロジェクト具体的作業としてBaden-Wurttemberg州の国立公文書資料館の図書や文書のマイクロフィルム化作業が行われている。そこで写真化された各頁には一般的なカードカタログと同様にデジタル情報との対比が出来るようデジタルテーブルが作成されている旨が紹介されている。

1.デジタルデータのカラー・マイクロフイルム化の技術は、レーザー技術を要としたものであるが、フライブルグに本拠地をもつ「フラウホーファー研究所(Frauhofer Institute for Physical Measurement Techniques」 が開発したが、同研究所開発担当部長のヴォルフガング・リーデル(Wolfgang Riedel)は5年後にはアナログ化されたデータはOSや読取り機器にかかわらず閲覧が可能であり、マイクロフィルムの場合、緊急時にはルーペや顕微鏡でも読むことが出来ると述べている(FDは何時まで読めるのか?)。

2.マイクロフィルムは40ミリ×45ミリであるが、単色では200万文字、また3色での保存が可能となるものである。したがって、パスポートの写真大のもので300頁の本11冊分が保存でき、また3層に分かれた保存により各層ごとに読むことも出来る。
さらに、自動化された公文書レーザー記録機は1日に600メーターのフィルムに2terabyte(1兆バイト)を書き込むことが出来る(これを手作業で行った場合、1人1日に2,250ページしかスキャンできない)。

3.更なる課題は、数百年後にマイクロフィルムから再デジタル化する装置の開発である。アナログ変換機器の導入にもかかわらず、かなりのデータ破棄・損失等が生ずるといえるためその対策も必要となる。

4.関連情報
(1)本記事はドイツの「DEUTSCHE WELLE」(2006.7.6号)から引用したが、このほかにも①ヨーロッパにおける文化遺産のデジタル化の検討に関するザルツブルグ(オーストリア)会議、②欧州委員会は2010年までに600万の文献等を擁するデジタル図書館 の設置を検討している等の記事が見ることが出来る。
(2)偶然にも日本HPのサイトでBaden-Wurttemberg州財務局が課税査定や税務関連のデジタル保存とアクセス利用の効率化の記事がでていた。アナログ技術とデジタル技術のすみわけの方向感を明確にしないと巨大な経済的、文化的損失が生じよう。
http://www.hp.com/cgi-bin/pf-new.cgi?IN=http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/ww/baden-tax/

〔参照URL〕
http://www.dw-world.de/dw/article/0,,2079655,00.html?maca=en-bulletin-433-html

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